キーワード
《特集1》文字デザインのマニエリスム-1960,70年代レタリング,ロゴタイプ,新書体の諸相
1960年代,70年代は産業やメディアが飛躍的な発展とともに文字デザインの新しい可能性が探求された黄金期でもあった。当時のさまざまな試みや人物をふりかえり,日本字デザインの豊かな潜在力を提示する。
《特集2》FUSEの20年
80年代末のデザインにおけるデジタル技術の登場は,長いあいだ職能的なバリアーに囲われていた書体制作という領域に風穴を開けた。1991年,ネヴィ ル・ブロディが中心となって立ち上げたプロジェクト「FUSE」は活字書体の新たな可能性を追求し,国際的に大きな影響力を発揮した。その全貌を詳細な解 説とともにたどる。
文字デザインのマニエリスム:1960,70年代レタリング,ロゴタイプ,新書体の諸相
◉連帯と運動
協会の結成/年鑑/機関誌
◉研究と提案
明日の書体デザイン/アジア地域の書体デザイン/レタリングのマニュアル/
佐藤敬之輔(寄稿:小宮山博史「佐藤敬之輔の書体研究と書体デザイン」)
◉実践と造形
描き文字の世界/日本字スタイルの宝典:稲田茂/町々のロゴタイプ:小林茂二/広告と文字:深野匡のロゴデザイン(寄稿:細谷巖「タイポグラファー深野匡さんのこと」)
◉新書体
タイポス/探求と実験/新書体1/新書体2/新書体3/企業の制定書体/情報と文字デザインデータ書体/〈再録〉桑山弥三郎「書体デザインの考え方」
◉〈資料再録〉図案文字からレタリングへ
高橋春人「時代と書体〈昭和前期編〉あらまし」/高橋錦吉「レタリングの移り変り」/原弘・亀倉雄策対談「デザイン文字の夜明け」
FUSEの20年ー着想から反物質まで
80年代末のデザインにおけるコンピュータの登場は,長いあいだ職能的な秘技と知識に囲われていた書体制作という領域に風穴を開けた。デザイナーた ちによって始まったデジタル時代の文字と言語をめぐる一連の試みのなか,1991年,ネヴィル・ブロディを中心に立ち上げられたプロジェクト「FUSE」 は,大きな国際的な影響力を発揮した。創刊から20年余りを経た今年,「FUSE」の軌跡をまとめた単行本『FUSE 1-20』が刊行されたことも記憶に新しい。本記事では「FUSE」の全貌を詳述。日本ではヴィジュアル・ショックとしてのみ消費された感もある同プロジェクトの内実にせまる。
協力:リサーチ・スタジオ,イエン・ライナム
ジョン・ダウナーのデザインーー描き文字から活字書体まで
文・デザイン:イエン・ライナム
序論:小林章
連載:デザインの辺縁 vol. 5 加藤賢策
聞き手・デザイン:原田祐馬
構成・文:多田智美
写真:増田好郎(p. 145, 148, 149, 152)
連載:日本語活字の文化誌 第1回
「近現代のブックデザイン考Ⅰ」考
文:内田明
デザイン:長田年伸
Reviews
「かなバンク」タイプバンクによる新プロジェクト
「DESIGNEAST03」レポート
デザインをめぐる「状況」は変わったのか?
文:加藤賢策
東アジア 本の交流2012
「東アジア 文字の原型」シンポジウム雑感
文:永原康史
「横尾忠則 初のブックデザイン展」レポート
横尾忠則という編集空間
文:ばるぼら