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特集:寄藤文平の庭
対談:池谷裕二(脳研究者),安野光雅(画家・絵本作家・装丁家)
JTのマナー広告「大人たばこ養成講座」や昨年度までの東京メトロのマナーポスターの仕事が広く知られる寄藤文平は,広告のアートディレクションや ブックデザインを中心に活動する,注目のグラフィックデザイナー。イラストレーターとしても活躍し,さらには企画から執筆,イラスト,デザインにいたるま ですべてを手がける著述活動も行っている。その多領域を横断する活動を,寄藤は「庭を作るようなもの」だという。特集の冒頭でその意をイラストと言葉で解 説。職能が分化される以前,一個人が技能と知性を結集してモノ作りを行った頃に原点回帰するかのように,心技体あわせて展開する寄藤の仕事を100ページ 以上にわたり紹介する。
安野光雅の絵本と装丁
20世紀エディトリアル・オデッセイ 第1回『ホール・アース・カタログ』
赤田祐一,ばるぼら
嵯峨本デジタル活字プロジェクト
対談:永原康史,鳥海修
ビハインド・ザ・グラフィックス 第1回 佐藤晃一「ニュー・ミュージック・メディア」
特別付録:祖父江慎 本文用ひらがな骨格ひょうほん
広告,イラストレーション,ブックデザイン,著述活動など,幅広く活躍する寄藤文平の主な仕事をジャンル別に紹介。各ジャンルの扉でも,各活動を「庭作 り」に見立てて,イラストと言葉で解説している。メディアとしては異なるものの,共通する核のようなものは,素材のステージを上げて見る人をつなぐこと。 そのための手段はさまざまであり,独自の視点や解釈,そして確かな画力が,寄藤の創作を支えている。脳研究者の池谷裕二,画家・装丁家の安野光雅との対談 も収録。池谷は表現上の疑問に対し脳のしくみで仮説を論じ,安野は装丁哲学やデザインの現状について警笛を鳴らす,クリエイターは必読の内容となってい る。
*掲載作品のなかで,寄藤文平の事務所「文平銀座」のウェブサイトより,動画が見られるものもある。
1 広告
2 イラストレーション
3 ブックデザイン
4 著作・展覧会
安野光雅の絵本と装丁
安野光雅は美しい自然や街,エッシャーのような不思議な世界を描き,画家・絵本作家として活躍する一方で,多くの装丁も手がけている。そんな安野の創作活動に幼い頃から魅了されていた寄藤文平が,思い入れの強い絵本と装丁の仕事を選んだ。
20世紀エディトリアル・オデッセイ 第1回『ホール・アース・カタログ』
赤田祐一,ばるぼら
20世紀という時代をつくり,牽引した紙媒体を振り返る新連載。第1回は1968年にアメリカで創刊し,役立つ書物や道具,サービスなどを入手方法 とともに掲載した『ホール・アース・カタログ』を検証する。国内はもとより日本のカルチャーにも少なからずもたらした影響とは何か?
嵯峨本デジタル活字プロジェクト
対談:永原康史,鳥海修
17世紀初頭に刊行された嵯峨本は,活字を用いた出版の初期の例として,その完成度の高さで知られている。この嵯峨本の活字を現代に甦らせるプロジェクトを追う。
ビハインド・ザ・グラフィックス 第1回 佐藤晃一「ニュー・ミュージック・メディア」
名作とされたグラフィックがなぜ名作だと呼ばれうるのか。そのような制作物にフォーカスを当て,当時の社会状況や分化,技術から多角的に取材する新企画。第1回で取り上げるのは,佐藤晃一による1974年に行われた野外コンサートのポスター。
特別付録:祖父江慎 本文用ひらがな骨格ひょうほん
文字をこよなく愛する祖父江慎による,本文用ひらがな書体比較一覧。骨格が似ている書体を独自に分類して並べ,活字前夜の書体から金属活字,写植時代,現代のベーシックまで,ほぼ時代順に構成。各書体の微妙な違いと文字の大きな流れがわかる。