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特集:ダイアグラム・地図作成法/杉浦康平,中垣信夫,牧谷孝則,高田修地,森下暢雄,勝井三雄,小島良平,木村博之,戸田ツトム,松田行正/特集2:アンドリュー・ブラウベルト | ウォーカーアートセンター 1998-2007 仕事から文章まで/連載第37回 デザイン豚よ木に登れ 文・写真 都築響一/連載第2回 和文活字を見る眼「書体と仮名」府川充男×小宮山博史×日下潤一/連載第7回 描き文字考 平野甲賀×川畑直道 ゲスト:鳥海修 企画・デザイン:向井裕一
特集:ダイアグラム・地図作成法
1960年代後半から70年代にかけて台頭してきた日本のデザイナーによるダイアグラムや地図作成の実践。地理,交通,時間,身体,歴史と,あらゆる事象 を取り上げながら独自の展開をみせてきた,この分野におけるデザイナーたちの試みを,3つのテーマに焦点をあてて紹介する。 「統計・人口・領土」のセク ションでは,統計データや人口現象などを視覚化した統計図表や,人々の空間意識を捉えなおす主題地図をはじめとして,情報誌「ぴあ」における都市のカル チャーマップ,大阪万博や筑波科学博といった国家的イベントに際して発揮された地図作成技術の成果などを紹介する。それにつづく「身体・運動・健康」のセ クションでは,寿命,生殖,健康管理,運動など,私たちの人間の身体や,その生存に深く関わるテーマの図解表現をとりあげる。最後の「知識・記憶・歴史」 のセクションでは,時間軸にそって歴史を俯瞰的に展望したり,ものごとの意味をわかりやすく図解するだけでなく,世界の見えない様相を作図化しいていくよ うなダイアグラム表現の新たな可能性を探る。 また,ダイアグラムや地図作成に関わってきたデザイナーたちへのインタビューを多数収録し,実践的な技法や 制作のプロセス,背後の影響源や思考に迫る。[参加デザイナー]杉浦康平,中垣信夫,牧谷孝則,高田修地,森下暢雄,勝井三雄,小島良平,木村博之,戸田ツトム,松田行正
杉浦康平 インタビュー
「生成する図, 呼応する生」「時間軸変形地図」「犬地図」「味 覚地図」など,新たな世界像を描きだす先駆的な試みによって,地図やダイアグラムの可能性を拡張しつづけてきた杉浦康平。その多視点的思考と図像の生成の 原理を説きあかす,約20,000字のロングインタビュー。 さらに杉浦自身の構成・デザインによって「時間軸変形地図」と「時間地図の原理」をモデル化 し,その多様なる試みを紹介した特別記事と4つ折りポスターを収録する。●特別企画:多様なる「時間のひだ」を地図化する 綴じ込みポスター:「時間軸で みる日本列島」
[図版構成]●統計・人口・領土ディジタルマップ–アフリカ/市民の生活図集 横浜の現況-1970/雑誌「Voice」のダイアグラム/新版 図説人 口問題/地図で知るヨーロッパ/1968年春の空の国際社会/日本列島の地域構造・図集/graphs talk/火の風俗地図/アジア大陸絵図/東京近郊区間路線図/ぴあMAP/日本万国博覧会公式ガイド・マップ/筑波科学博覧会公式ガイド・マップ●身 体・運動・健康体育科教育/現代世界百科大事典/新家庭百科事典/いい視力いつまでも/病める都市東京/体の科学/健康百科/長野オリンピック 公式ガイドブック●知識・記憶・歴史WAVE/MEDIA INFORMATION/観測と空間/断層図鑑/情報の歴史/絶景万物図鑑/円と四角/code/ZERRO/雑誌「10+1」目次裏ダイアグラム[収録 インタビュー]●中垣信夫 「人々の営みや意識を記号化する」●高田修地 「横断的にものごとの関係性をトレースする」●勝井三雄「デザインの要素を〈規格化〉する」●戸田ツトム「世界の断層を静観する」●松田行正「見えないも のへと裏返る反転の歴史を描く」
特集2:アンドリュー・ブラウベルト / ウォーカーアートセンター 1998-2007 仕事から文章まで
米国ミネアポリスにあるウォーカーアートセンターは,現代アー トのみならず舞台・演劇.デザイン,映画など多領域にわたるプログラムを運営する芸術施設だ。同館のデザイン部門は,デザイナーにして気鋭のデザイン批評 家のアンドリュー・ブラウベルトのディレクションのもと,館内制作物の編集やデザイン,美術館のアイデンティティ,講演会の企画や展覧会のキュレーション など多岐にわたる活動を行っている。本特集では,アンドリューのディレクションしたウォーカーにおける主要な仕事と,彼が発表してきた代表的な論考を紹介 し,その先駆的なグラフィックデザインの方法論と思考法に焦点をあてる。