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「アイデア」に掲載されたタイポグラフィと和文書体の関連記事約10年分をまとめて収録。日本語を扱うデザイナー必読の一冊。
2000年以降にデザイン誌「アイデア」で掲載されたタイポグラフィと和文書体関連の記事約30本を,400ページ以上におよぶボリュームで再録したコンピレーション。
デジタル技術の革新によってデザイン環境がDTPへと移行した90年代半ば以降,国内外でタイポグラフィへの関心が高まったことを受け,誌上でもさまざまな事例や研究が紹介されてきた。本書はそのなかでも古今東西のタイポグラフィについての考察,和文書体や日本語タイポグラフィの歴史研究やレポート,タイポグラフィについてのブックガイドなどを中心に収録する。
いまでこそタイポグラフィについての関連書は多いが,それ以前から先駆的に活動してきた執筆者たちによる技法にとどまらない理念や批評的視点は,「技法」が支配する現代にあっていまだに有効だ。タイポグラフィおよび和文書体に対する理解を深め,議論をつないでいくための,日本語を扱うデザイナー必読の一冊。
【収録内容】
タイポグラフィ時評
2003年より全12回にわたって当時のタイポグラフィの最新動向をとりあげた意欲的な連載。
第1回 片塩二朗「輝け!新世紀の活字たち」/第2回 バウマン・アンド・バウマン「ローティス・イン・ローティス」/第3回 ゲアド・バウマン「ローティス・イン・ローティス2」/第4回 今田欣一「和文書体の歴史をつむぐ」/第5回 河野三男「スタンリー・モリスンの現代的意味」/第6回 片塩二朗「原点なき未来の活字書体を憂える」/ 第7回 木村雅彦「組織からの『声』の形成」/第8回 坂本繭美「活字書体とその属性としての性差」/第9回 山本太郎「タイポグラフィにおけるモダニティを探る」/第10回 山本太郎「秀英体の形成と歴史的変遷」/第11回 新島実「基礎教育としてのタイポグラフィ」/第12回 寺山祐策「近代視覚言語の結節点」
秀英体──平成の大改刻
大日本印刷の前身である秀英舎のオリジナル和文書体「秀英体」。その軌跡から開発者の談話,書体見本,関連年表などを収録し,長きにわたり人々を魅了し続ける理由に迫る。
今田欣一「今田欣一の書体設計 和字と漢字」
活字書体設計者・今田欣一は,写真植字からデジタルタイプにまたがるキャリアのなかで数々の書体設計にかかわってきた。なかでもその活動の中核をなす復刻プロジェクトについて,設計思想,制作手法を語った講演会の内容を収録。
嵯峨本デジタル活字プロジェクト 平安,近世,そして現代へ 対談:永原康史×鳥海修
17世紀初頭に刊行された嵯峨本は,活字を用いた出版の初期の例として,その完成度の高さで知られている。嵯峨本の活字を現代に甦らせるプロジェクトを追る。
文字デザインのマニエリスム──1960,70年代レタリング,ロゴタイプ,新書体の諸相
1960年代,70年代は産業やメディアが飛躍的な発展とともに文字デザインの新しい可能性が探求された黄金期でもあった。当時のさまざまな試みや人物をふりかえり,日本字デザインの豊かな潜在力を提示した特集。
連帯と啓蒙/研究と提案/造形と実践/新書体/〈資料再録〉図案文字からレタリングへ
向井裕一「タイポス 『タイポス』から『タイポスオールマイティ』,『漢字タイポス』へ」
発売から40年をむかえ,これまで 仮名だけの文字セットしか持たなかった「タイポス」に漢字が加わり「漢字タイポス」として発売された。一時代を築いたユニークな書体の開発史をふりかえり,現代的な可能性を探る。
小宮山博史「ゴシック体の現状と新しい世界の構築」
従来以上に使用頻度が高まり,モダンからスタンダード,あるいはクラシックへと回帰するゴシック体。その状況や長体ゴシックへの展開など,角ゴシック体の新たな可能性を展望する。
愛のあるユニークで豊かなタイポグラフィを求めて 座談会:中垣信夫×府川充男×向井裕一
日本のタイポグラフィの最前線を走り続けてきた三人のデザイナーたちが,日本語組版の今,昔,これからを語り尽す。
視覚デザイン研究所の発想──同時代のディスプレイ書体を求めて
他社と一線を画すそのユニークな書体デザインの秘訣に迫る。
内田明「日本語活字の文化誌」
日本語活字に関するトピック,組版や国語表記の移り変わりなどをユニークな切り口から紹介する全4回の連載。
第1回「『近現代のブックデザイン考Ⅰ』考」/第2回「ゴシック体のある風景」/第3回「うたう活字書体」/ 第4回「ヨコモジの混ぜかた」
祖父江慎「祖父江慎デザイン放談:アンチゴチのむこうに」
仮名がアンチック体,漢字がゴシック体という混植スタイル,通称「アンチゴチ」。漫画の吹き出しではおなじみであるこの表現の裏にひそむ,日本語のオトとカタチのあいまいな関係を考える。
内田明「来るべきマンガタイポグラフィ研究のために」
漫画の吹き出しをタイポグラフィの観点から解剖。今後の研究の道しるべとなる記念碑的論考。
タイポグラフィをめぐる書物──34人の書棚から
デザイナー,書体設計者,書体史研究者など,タイポグラフィと深く関わる 34人のブックリストを掲載。タイポグラフィへの理解を深めるものから個人的な契機となった書物まで,各者のセレクトと 解説を紹介する。
杉浦康平/中垣信夫/小宮山博史/森啓/工藤強勝/羽原肅郎/寄藤文平/永原康史/浅葉克己/鳥海修/佐々木暁/祖父江慎/鈴木一誌/服部一成/立花文穂/松田行正/向井裕一/平野甲賀/葛西薫/須山悠里/秋山伸/小林章/有山達也/髙岡昌生/山本太郎/日下潤一/白井敬尚/山口信博/原研哉/小泉均/新島実/橋詰宗/寺山祐策/片塩二朗
祖父江慎「ひらがな骨格ひょうほん」
文字をこよなく愛するデザイナー・祖父江慎による,本文用ひらがな書体比較一覧。骨格が似ている書体を独自に分類して並べ,活字前夜の書体から金属活字,写植時代,現代のベーシックまで,ほぼ時代順に構成。各書体の微妙な違いと文字の大きな流れがわかる。
「アイデア」に掲載されたタイポグラフィと和文書体の関連記事約10年分をまとめて収録。日本語を扱うデザイナー必読の一冊。
2000年以降にデザイン誌「アイデア」で掲載されたタイポグラフィと和文書体関連の記事約30本を,400ページ以上におよぶボリュームで再録したコンピレーション。
デジタル技術の革新によってデザイン環境がDTPへと移行した90年代半ば以降,国内外でタイポグラフィへの関心が高まったことを受け,誌上でもさまざまな事例や研究が紹介されてきた。本書はそのなかでも古今東西のタイポグラフィについての考察,和文書体や日本語タイポグラフィの歴史研究やレポート,タイポグラフィについてのブックガイドなどを中心に収録する。
いまでこそタイポグラフィについての関連書は多いが,それ以前から先駆的に活動してきた執筆者たちによる技法にとどまらない理念や批評的視点は,「技法」が支配する現代にあっていまだに有効だ。タイポグラフィおよび和文書体に対する理解を深め,議論をつないでいくための,日本語を扱うデザイナー必読の一冊。
【収録内容】
タイポグラフィ時評
2003年より全12回にわたって当時のタイポグラフィの最新動向をとりあげた意欲的な連載。
第1回 片塩二朗「輝け!新世紀の活字たち」/第2回 バウマン・アンド・バウマン「ローティス・イン・ローティス」/第3回 ゲアド・バウマン「ローティス・イン・ローティス2」/第4回 今田欣一「和文書体の歴史をつむぐ」/第5回 河野三男「スタンリー・モリスンの現代的意味」/第6回 片塩二朗「原点なき未来の活字書体を憂える」/ 第7回 木村雅彦「組織からの『声』の形成」/第8回 坂本繭美「活字書体とその属性としての性差」/第9回 山本太郎「タイポグラフィにおけるモダニティを探る」/第10回 山本太郎「秀英体の形成と歴史的変遷」/第11回 新島実「基礎教育としてのタイポグラフィ」/第12回 寺山祐策「近代視覚言語の結節点」
秀英体──平成の大改刻
大日本印刷の前身である秀英舎のオリジナル和文書体「秀英体」。その軌跡から開発者の談話,書体見本,関連年表などを収録し,長きにわたり人々を魅了し続ける理由に迫る。
今田欣一「今田欣一の書体設計 和字と漢字」
活字書体設計者・今田欣一は,写真植字からデジタルタイプにまたがるキャリアのなかで数々の書体設計にかかわってきた。なかでもその活動の中核をなす復刻プロジェクトについて,設計思想,制作手法を語った講演会の内容を収録。
嵯峨本デジタル活字プロジェクト 平安,近世,そして現代へ 対談:永原康史×鳥海修
17世紀初頭に刊行された嵯峨本は,活字を用いた出版の初期の例として,その完成度の高さで知られている。嵯峨本の活字を現代に甦らせるプロジェクトを追る。
文字デザインのマニエリスム──1960,70年代レタリング,ロゴタイプ,新書体の諸相
1960年代,70年代は産業やメディアが飛躍的な発展とともに文字デザインの新しい可能性が探求された黄金期でもあった。当時のさまざまな試みや人物をふりかえり,日本字デザインの豊かな潜在力を提示した特集。
連帯と啓蒙/研究と提案/造形と実践/新書体/〈資料再録〉図案文字からレタリングへ
向井裕一「タイポス 『タイポス』から『タイポスオールマイティ』,『漢字タイポス』へ」
発売から40年をむかえ,これまで 仮名だけの文字セットしか持たなかった「タイポス」に漢字が加わり「漢字タイポス」として発売された。一時代を築いたユニークな書体の開発史をふりかえり,現代的な可能性を探る。
小宮山博史「ゴシック体の現状と新しい世界の構築」
従来以上に使用頻度が高まり,モダンからスタンダード,あるいはクラシックへと回帰するゴシック体。その状況や長体ゴシックへの展開など,角ゴシック体の新たな可能性を展望する。
愛のあるユニークで豊かなタイポグラフィを求めて 座談会:中垣信夫×府川充男×向井裕一
日本のタイポグラフィの最前線を走り続けてきた三人のデザイナーたちが,日本語組版の今,昔,これからを語り尽す。
視覚デザイン研究所の発想──同時代のディスプレイ書体を求めて
他社と一線を画すそのユニークな書体デザインの秘訣に迫る。
内田明「日本語活字の文化誌」
日本語活字に関するトピック,組版や国語表記の移り変わりなどをユニークな切り口から紹介する全4回の連載。
第1回「『近現代のブックデザイン考Ⅰ』考」/第2回「ゴシック体のある風景」/第3回「うたう活字書体」/ 第4回「ヨコモジの混ぜかた」
祖父江慎「祖父江慎デザイン放談:アンチゴチのむこうに」
仮名がアンチック体,漢字がゴシック体という混植スタイル,通称「アンチゴチ」。漫画の吹き出しではおなじみであるこの表現の裏にひそむ,日本語のオトとカタチのあいまいな関係を考える。
内田明「来るべきマンガタイポグラフィ研究のために」
漫画の吹き出しをタイポグラフィの観点から解剖。今後の研究の道しるべとなる記念碑的論考。
タイポグラフィをめぐる書物──34人の書棚から
デザイナー,書体設計者,書体史研究者など,タイポグラフィと深く関わる 34人のブックリストを掲載。タイポグラフィへの理解を深めるものから個人的な契機となった書物まで,各者のセレクトと 解説を紹介する。
杉浦康平/中垣信夫/小宮山博史/森啓/工藤強勝/羽原肅郎/寄藤文平/永原康史/浅葉克己/鳥海修/佐々木暁/祖父江慎/鈴木一誌/服部一成/立花文穂/松田行正/向井裕一/平野甲賀/葛西薫/須山悠里/秋山伸/小林章/有山達也/髙岡昌生/山本太郎/日下潤一/白井敬尚/山口信博/原研哉/小泉均/新島実/橋詰宗/寺山祐策/片塩二朗
祖父江慎「ひらがな骨格ひょうほん」
文字をこよなく愛するデザイナー・祖父江慎による,本文用ひらがな書体比較一覧。骨格が似ている書体を独自に分類して並べ,活字前夜の書体から金属活字,写植時代,現代のベーシックまで,ほぼ時代順に構成。各書体の微妙な違いと文字の大きな流れがわかる。