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2015年3月10日発売
特集:日本のグラフィックデザイン史 1990-2014
世界情勢や日本社会が, それぞれに変容し過去からの「断絶」の時期を迎えるなか,従来のモダンデザイン史とは異なる文脈から現れたデザイナーたち による,もう一つのデザイン史が生まれた1990年代。モダンデザイン史の物語を継承するデザイナーたちの潮流や,デザイナーの活動領域そのものの変化が みられた2000年代。ふわふわと浮いたまま,未だ落ち着く先を知らない1990年代以降のグラフィックデザイン。本特集ではそこに生まれた物語にふれ, 語り部の一人となり踏み込んでいく。
アートディレクション,イラストレーション:寄藤文平
デザイン:浜名信次
《巻頭》ビジュアル年表 1990-2014
論考
・90年代以降における
コンピュータとグラフィックデザインとの関係性/蜂賀亨
・渋谷系デザイン/ばるぼら
・デザインの本質を学ぶ/紫牟田伸子
・タイポグラフィの余白に 1990-2015/古賀稔章
デザイン賞とその傾向
JAGDA賞,ADC賞,TDC賞,毎日デザイン賞,講談社ブックデザイン賞
《連載1》ばるぼら×野中モモ
日本のZINEについて知ってることすべて
第2回「90年代のジン―The World Before Google」パート1
《連載2》インフォグラフィックスの潮流
第4回 インフォメーション&ブック
[図解・統計]理解のデザイン/ 20世紀の冒険[上]
規格化と言語化,ふたつの試み
《連載3》イエローページ
第4回 ナ・キム(ソウル)
369号 お詫びと訂正(最終更新2015-3-10)
《巻頭》ビジュアル年表 1990-2014
論考
1・90年代以降におけるコンピュータとグラフィックデザインとの関係性/蜂賀亨
2・渋谷系デザイン/ばるぼら
3・デザインの本質を学ぶ/紫牟田伸子
4・タイポグラフィの余白に 1990-2015/古賀稔章
デザイン賞とその傾向
JAGDA賞,ADC賞,TDC賞,毎日デザイン賞,講談社ブックデザイン賞
《連載1》ばるぼら×野中モモ
日本のZINEについて知ってることすべて
第2回「90年代のジン―The World Before Google」パート1」
インタビュー:タコシェ・中山亜弓
インタビュー:SHOP33/next33・荒武聡
デザイン:森敬太(セキネシンイチ制作室)/撮影:島隆志
冷戦構造の解体とバブル経済の余波のなか幕を開けた90年代は,デジタルテクノロジーの進化によって「個人による情報発信」の領域が急速に拡張した 時代だった。ワープロ専用機に続いてのパーソナルコンピュータの普及。それに伴うDTPの実用化。ポケベルの流行からのPHS,携帯電話利用者の急増。パ ソコン通信を経由したインターネットの発見。新しいツールが現れ,それ以前には見えなかった空間が広がり,メディアをめぐる力学は日々更新されていく。 サーチエンジンのGoogleが人々のネット体験を変えるのは90年代末のこと。「世界中の情報を整理し,世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」を目指す彼らがそこにあって当然の存在となる少し前に,人と人をつないでいた小さな紙メディアたちを紹介する。
《連載2》インフォグラフィックスの潮流
第4回 インフォメーション&ブック
[図解・統計]理解のデザイン/ 20世紀の冒険[上]
規格化と言語化,ふたつの試み
文・デザイン:永原康史
インフォグラフィックの歩みを辿る好評連載。現代の方法論につながる大きな基盤を築いたウィラード・C.ブリントンのグラフィック・メソッドとノイラートのアイソタイプを紹介。
《連載3》イエローページ
第4回 ナ・キム(ソウル)
文・構成:後藤哲也/共同編集:ジェイヴィン・モ/デザイン:スルキ&ミン
アジア各都市のデザインの状況を,一組のデザイナーの視点を通じて読み解く本連載では,これまでに,香港,台北,北京という,中華圏の都市で活動す るデザイナーを取り上げてきた。今号からは,漢字文化の影響を受けながら,独自の文字文化を築いてきた都市で活動するデザイナーを紹介していきたい。その 最初の目的地は,大韓民国の首都ソウル。漢字とは対照的に,ハングルという世界で最も新しい文字を使うこの都市でのデザインの状況は,日本にはあまり届い ていないのが現状だ。(ハングルの壁がその理由だとも言えるだろう。) しかし,ここには,現在進行形の欧米のデザインとの接続がある。特にアメリカやオランダで学んだデザイナーたちが,これまでの韓国,ひいてはアジアのデザ インの枠組みを越えた,興味深い状況を生み出しているのだ。なかでもナ・キムは,その動きの中心にいると言えるだろう。韓国におけるグラフィックデザイン の王道からは外れたところから現れ,そして,オランダへの留学を通じて,常に外側からソウルを見ている彼女の視点を通じて,ソウルのデザインの状況を読み 解いてみたい。
東アジア・本の交流2014レポート
ソウルから車で40分ほどの郊外に,パジュ(坡州)という都市がある。軍事境界線(38度線)を隔てて北朝鮮と接する都市だが,文化で架け橋をつくるとい う意味合いも込めて出版都市が建設された。本を中心としたまちづくりと言えば,イギリス・ウェールズのヘイ・オン・ワイ(Hay-on-Wye)が有名だ が,古書を中心に設計されたヘイ・オン・ワイとの違いは,文字通り出版が中心にあるということ。韓国内の主たる出版社や印刷会社が150社以上,ここに集 まっている。パジュでは,東アジアの出版のハブを目指し,本にまつわるイベントが多く開催されているが,今回レポートするのは,2005年にスタートした ブックデザインにまつわるシンポジウムInterchange Symposium of East Asia Book(東アジア本の交流)。 杉浦康平を中心に,韓国のチョン・ビョンギュ,アン・サンス,中国の呂敬人,台湾の黄永松ら,各国を代表するブックデザイナーが発起人となり,東アジアに おけるブックデザインの交流を生み出すことを目的にスタートした本シンポジウムは,日中韓台のさまざまな世代のデザイナーによってネットワークを深めてき た。10回目となる2014年のシンポジウムは,これまでの10年間の検証を目的に,オリジナルメンバーが集まり,東アジアにおける本の道についてのプレ ゼンテーションとディスカッションを行った。
山名文夫『体験的デザイン史』復刊によせて
[イベントレポート]モリサワタイプデザインコンペティション 2014
NewType 新書体情報
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the idea of music[015]
Books
『アイデア』369号内におきまして以下の誤りがございました。
関係者ならびに読者の皆様にご迷惑をおかけしましたことを,深くお詫び申しあげます。
(最終更新:2015-3-10)
◉「論考4・タイポグラフィの余白に 1990-2015(文:古賀稔章)」の「情報技術による民主化」の段落において,文章の繋がらない箇所がありました。正しくは画像にあるとおりです。
*訂正版のPDFデータを以下よりダウンロードいただけます。
idea369_p.67-68_revised.pdf
◉〈ビジュアル年表1990-2014〉にて以下の作品の制作年を誤り、異なるページに掲載してしまいました。
p.011/No.55 BOREDOMS『SUPER ROOTS #9』CDジャケット, commmons
誤:1993年
正:2007年
by idea March 9, 2015 10:00 AM