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【特集】
物語るピクセル表現 小さなドットが描く世界とデザインの美学
企画・構成:アイデア編集部
協力:松永伸司
デザイン:LABORATORIES(加藤賢策,鎌田紗栄)
撮影:恩田拓治(pp. 93-95)
技術的な制約から生まれた「ピクセル表現」は、現在では確立されたデジタルアートのスタイルとして定着した。ゲームというメディアを通じて進化を遂げたこのスタイルは、レトロな印象をもちながらも新しい感性や価値観を内包し、現代においても独自の表現力を発揮している。
近年は、Lucas Popeの『Return of the Obra Dinn』やToge Productions の『Coffee Talk』、さらに直近ではWONDERPOTIONによる『SANABI』などがその深い物語性や美しいヴィジュアルで注目を集めた。日本でも海外作品の影響を受けた新たなタイトルが生まれる一方で、独自の感性をもつ作品も多数登場している。これらの作品は、国境を越えてこの表現の可能性を広げると同時に、文化や技術が交差する場となっている。
本特集では、Lucas PopeやToge Productions、Mojiken Studio、Pixpil、WONDERPOTION、Sabotage Studio、Sukeban Games、SOMI、Odencat、room6といった、ピクセル表現を取り入れた作品で高い評価を得ている世界中のクリエイターたちにご登場いただいた。いずれもその独自性と創造性により、素晴らしい作品を生み出し続けている存在だ。彼らのインタビューやゲームヴィジュアルの詳細に触れることで、この領域のさらなる可能性を感じていただけると思う。
ピクセル表現は、単なる懐古的なスタイルではない。時代を超え、技術を越え、表現力の限界を問い直すクリエイティブな挑戦といえるだろう。本特集が、その奥深い可能性を感じ取る契機となり、本誌読者の新たなインスピレーションを得る一助となれば嬉しい。
[イントロダクション]
ピクセルアートとは何か ―技術の限界から生まれた芸術
文:松永伸司
Lucas Pope
Toge Productions
Mojiken Studio
Pixpil
WONDERPOTION
Sabotage Studio
Sukeban Games
SOMI
Odencat
room6
[インタビュー]渋谷員子
想像力と視認性をつなぐドット絵
―スクウェア・エニックス渋谷員子が描いてきたもの
聞き手:アイデア編集部 構成:藤井亮一
[寄稿]ピクセル表現における「デフォルメ」と「リアリズム」の共存史 ―8ビット~16ビット時代のビデオゲームが育んだ技術と理想
文:田中“hally”治久
[寄稿]ピクセルの滲みを愛でる
文:松永伸司
[寄稿]小規模ゲーム開発の現在
文:一條貴彰
30TH ANNIVERSARY OF THE COMME DES GARÇONS PARFUMS
香りの世界のヴィジュアライゼーション
文・構成:西まどか
デザイン:ORDINARY PEOPLE
ドイツワインのラベルデザイン小史
文:マーカス・ヴァイスベック
デザイン:寺尾功司 翻訳:山本真実
ブロッツム・ゲシュタルト ペーター・ブロッツマン追悼
文・レイアウト:仁木順平
翻訳:ブラザトン・ダンカン
「展覧会レビュー]日本語書体のこれから 「写真植字の百年」展と写研書体
文・デザイン:長田年伸
[連載]デザイン蒐集家たちの部屋
第8回:デザインアーカイヴ
「Design Reviewed」part 8
新しいヴィジュアルランゲージ ―グラフィックデザインのニューウェーブとポストモダニズム
文:マット・ラモント
デザイン:山田和寛+竹尾天輝子(nipponia)
翻訳:山本真実
ニューカレンダー 2025 制作後記
インタビュー:王子エフテックス株式会社
聞き手:牧寿次郎,アイデア編集部
デザイン:牧寿次郎
インフォメーション
新刊紹介
「別冊付録]ニューカレンダー 2025
制作協力:八紘美術,王子エフテックス株式会社
デザイン:牧寿次郎