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【特集】
AIとの共創 ヴィジュアル表現に見る生成と創造
企画・構成:アイデア編集部
監修:Qosmo(徳井直生,伊勢尚生,中嶋亮介)
デザイン:LABORATORIES(加藤賢策,守谷めぐみ)
グーテンベルクによる活版印刷術の実用化,写真技術の発明,ゼロックスのコピー機の登場,パーソナルコンピュータとDTPの普及など,印刷メディアは産業の発展とともに絶えずテクノロジーを受け入れ,進化を続けてきた。そして,その時々の美意識や価値観を反映した新たな表現が登場し,グラフィックデザインと呼ばれるものの骨格がつくられていった。
しかし,インターネットの登場に始まる社会の急速な情報化により,テクノロジーを手放しで導入することを疑問視する人々も出てきた。クリエイティブの分野ではさまざまデジタルツールの登場によって自由な表現の場がひらかれていったが,ツールを活用すれば誰もがそれなりの完成度のアウトプットを実現できてしまうことで,ネガティブな状況も生まれた。身体性の欠如,表現の単一化……創造性とは何かを問う議論や対立構造をつくろうとする人たちの考えの根本には,テクノロジーが人間の役割を奪うといった産業構造の変化に対する不安もあるのかもしれない。
近年世界的な話題となっている人工知能(AI)による創造活動についても,その誌では,AIを人と対立するものではなく,創造の伴走者として捉え,その可能性を探ってみることにしたい。
インターネットやスマートフォンがわたしたちの生活にとって当たり前の存在になったように,近い将来,AI技術は日常生活のあらゆるところに浸透し,クリエイティブの分野でも必要不可欠なものとなるだろう。AIの導入により社会の効率化が推し進められていったとき,表現の担い手たちが果たすべき役割とはどんなことだろうか。デザイナーの職能とはどのように変化していくのか。本特集ではそうした疑問を起点に,AIとヴィジュアル表現をめぐる動向を取り上げていく。
[序文]
グラフィックデザインは死ぬのか AIと創作をめぐる小史
文:徳井直生
Chapter 1 共創の実践
Universal Everything
ATIO Studio
Gianpaolo Tucci
Qosmo
oio
Ulises Studio
村山悟郎
Vernacular
[座談会]
共創の現場から 創造性を拡張する手立てとしてのAI
永原康史,Scott Allen,Qosmo(徳井直生,伊勢尚生,中嶋亮介)
[寄稿]
AIが欧米のデザイン市場にもたらす影響とは 共創の実現可能性
文:ジェフリー・バンティング
[寄稿]
生成イラストをめぐる価値と感情の行く先
文:gnck
[インタビュー]
Inscript:テクノロジーとタイポグラフィを考えるオンラインフェスティバル
[インタビュー]
ジョディ・ハドソン・パウエル(Pentagram):クリエイティブ・ディレクションにおけるAIとの向き合い方
Chapter 2 テクノロジーの現在
[インタビュー]
Adobe Firefly:クリエイティブを手助けする,進化し続ける生成AI
仲尾毅(アドビ)
Stability AI:Stable Diffusion
Recraft,Inc.:Recraft
[寄稿]
肥大化するニューラルネットワークと人々の熱狂
文:清水亮
[寄稿]
ハロルド・コーエンとの思い出
文:迎山和司
[インタビュー]
水野祐:著作権から考える,生成AIの社会実装のデザイン
[小説]
樋口恭介:機械の中の幽霊
[連載]
デザイン蒐集家たちの部屋 第4回
デザインアーカイヴ「Design Reviewed」part 4
カール・オスカー・ブラーゼのポスターデザイン
文:マット・ラモント
デザイン:山田和寛(nipponia)
翻訳:山本真実
リック・フローバーグに贈る大きな拍手
文・デザイン:イエン・ライナム
翻訳:山本真実
『The Graphic Language of Neville Brody 3』
刊行記念インタビュー:ネヴィル・ブロディ
通訳:古屋言子
聞き手:アイデア編集部
ニューカレンダー 2024 制作後記
対談:牧寿次郎,平和紙業
デザイン:牧寿次郎
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新刊紹介
別冊付録 ニューカレンダー 2024
制作協力:八紘美術,平和紙業
デザイン:牧寿次郎
撮影:後藤洋平