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「ファミコンやゲームボーイの音楽。あるいは、それら風の音楽」
誰にでも分かるように「チップチューンとは何か」を説明するとしたら、まずはこんな表現になるだろう。あの安っぽくて懐かしい1980~90年代初頭のゲーム音楽から、テイストをそのまま持ってきた、あるいは主要素としてとり入れた音楽のことである。そういった音楽が、現在ではゲームのBGMという枠を超え、より幅広い表現の場で作られ、聴かれるようになっている。レトロゲーム機(風)の音楽なのに、ゲーム音楽ではない──という不思議なものを形容するための言葉。それが「チップチューン」なのである。(本文より)
アーケードゲームやファミコン、ゲームボーイなど、現在ではレトロゲームと呼ばれるゲーム機の内蔵音源チップから誕生した音楽ジャンル「チップチューン(Chiptune)」。本書は、その誕生にはじまり、黎明期の状況、国内外の現役のアーティストたちの活動など、自身もチップアーティストとして活躍する著者が、膨大な資料と関係者への取材をもとに綴る初の書籍。長年にわたり総括されることのなかったチップチューンをゲーム音楽史の観点から再評価するとともに、広くは日本のビデオゲームカルチャーの変遷を振り返る。
装丁・デザイン:山田和寛(nipponia)
仕様:A5、並製、336ページ
定価:本体2,200円+税(税込2,376円)
発行:誠文堂新光社
ISBN 978-4-416-61621-5
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【著者略歴】
田中治久(hally)
ゲーム音楽史/ゲーム史研究家。90年代より国内初のネットレーベル「カミシモレコーズ」を主宰し、自身もチップアーティストとして楽曲制作やライブ活動を開始する。2000年代には個人サイト「VORC」を始動、チップチューンやゲーム音楽についての執筆をはじめ、国内における第一人者として知られる。2012年からはチップチューンの情報サイト「CHIP UNION」の創設に協力するなど、新世代のリスナーにむけてチップチューンや8bitカルチャーの魅力を発信し続けている。
Twitter:@hallyvorc
*新ブログ「VORCuration」スタート!
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【目次】
序章:チップチューンとは何なのか
第1章:前史 Ⅰ:黎明期のコンピュータ音楽
Ⅱ:デジタルゲーム音楽
Ⅲ:音源チップ
第2章:チップチューンの成立
Ⅰ:海外編
Ⅱ:国内編
第3章:モダン・チップチューン
Ⅰ:トラッカー
Ⅱ:エミュレータ
Ⅲ:ダンス・ウィズ・チップス
Ⅳ:モダン・チップチューン
第4章:アーティストインタビュー
ヒゲドライバー/Omodaka/Kplecraft/Saitone/SEXY-SYNTHESIZER
USK/TORIENA/Quarta330/YMCK/Goto80/Bit Shifter
【よみもの.comにてWEB連載公開中!】
第1回 チップチューンとはなにか?
第2回 アーティスト・インタビュー vol.1 ヒゲドライバー
第3回 アーティスト・インタビュー vol.2 Omodaka
第4回 アーティスト・インタビュー vol.3 Kuske(Kplecraft)
第5回 アーティスト・インタビュー vol.4 Saitone
第6回 アーティスト・インタビュー vol.5 SEXY-SYNTHESIZER
第7回 アーティスト・インタビュー vol.6 除村武志(YMCK)
第8回 アーティスト・インタビュー vol.7 USK
第9回 アーティスト・インタビュー vol.8 Quarta330
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